年齢を重ねても、いつまでも元気に、活動的でありたいものですね。その基本となるのが食生活です。まず必要な栄養素をきちんととるためのポイントをおさえましょう。
平成17年に厚生労働省・農林水産省より、「食事バランスガイド」が策定されました。食事の望ましい組合せやおおよその量がイラストでわかりやすく示され、「何を」「どれだけ」食べたらよいかがひと目でわかるようになっています。毎日の食事の目安にしてください。
体を動かすエネルギー源ですが、炭水化物に偏った献立にならないように注意をしましょう。摂りすぎると体脂肪に変わり、肥満につながります。 他の栄養素とのバランスが大切です。
体の中で、炭水化物がエネルギーに変わるときには、ビタミンB1が必要です。 胚芽つきの加工食品や豚肉など、ビタミンB1と一緒に食べることをおすすめします。
果物に含まれる果糖。食べ過ぎは肥満の原因に。1日200gが目標です。 目安量を守り、毎日食べましょう。
りんご・・・1/2個、みかん・・・2個程度
丼やめん類は栄養素のバランスが偏りがちなので、できれば、定食やセットメニューを選びましょう。
脂質は、体に不可欠な栄養素ですが、量や種類に気をつけないと、高脂血症や肥満を招きます。動物性脂肪に偏らないよう、植物性脂肪、魚油など、いろいろな脂質を適量摂りましょう。
肉の脂・乳製品など
植物油・魚の脂・種実類など
和食は、比較的脂肪の少ないメニューが多いので、おすすめです。ただし、みそ汁や漬け物は食塩が多く含まれるので気をつけましょう。
魚や豆腐がメインのものを献立に取り入れましょう。肉を食べるときは、高脂肪のロースやバラよりも、低脂肪のヒレやもも肉を使った料理にしましょう。鶏肉は、皮をはずすとカロリー1/2に抑えられます。
揚げ物や炒め物など油を多く使った料理は、1日1〜2品にとどめましょう。揚げ物の衣はなるべく薄くつけましょう。
片面→両面に衣を付けた場合・・吸油率1.2倍
たんぱく質は、丈夫な体作りに不可欠な栄養素。適量のたんぱく質は、カルシウムの吸収を高めます。ただし、摂りすぎると、腎臓から尿へのカルシウムの排出量が増え、骨粗鬆症にもつながります。
肉や魚、卵などの動物性のたんぱく質とともに、大豆などの植物性のたんぱく質も積極的に取り入れましょう。
ついつい高エネルギーになりがちなおつまみですが、魚料理や大豆・豆腐料理を選ぶようにしましょう。
高齢になり身体活動量が低くなり食が細くなると、低栄養に陥りやすくなります。体の免疫力が落ちて、感染症にかかりやすくなるので要注意です。食事のときには、まず、たんぱく源となる主菜から食べると良いでしょう。
1日の食塩摂取量
男性・・・10g未満
女性・・・8g未満
食塩を多く摂ると、血中ナトリウム濃度を一定に保とうと体内の水分量が増え、血液量が増加して血圧があがるので、注意が必要です。
〜食塩控えめでおいしい調理のコツ〜
調味料や加工食品には塩分が多く含まれています。まずは、食品に含まれる塩分の食塩相当量を知り、目と舌で覚えていくことが大切です。
食塩の多い食品を知って、控えることから始めましょう。徐々に薄味になれることが大切です。
即席カップ麺 | 6.9g |
梅干し(1個10g) | 2.2g |
イカの塩辛(30g) | 2.1g |
スナック菓子(1袋100g) | 1.8g |
あじのひもの(80g) | 1.4g |
塩さけ(1切60g) | 1.1g |
プロセスチーズ(40g) | 1.1g |
たくあん(25g) | 1.1g |
ロースハム(2枚40g) | 1.0g |
ちりめんじゃこ(半乾燥15g) | 1.0g |
野菜に含まれるビタミンやミネラルは、体の調子を整えます。また、抗酸化作用のあるビタミンや成分が含まれているものも多いので、積極的に食べましょう。
調味・調理法を工夫してみましょう
1食分/約120g(例)
水分の多い野菜は、加熱することでカサが半分以下に減るので、ゆでたり、蒸したりしてたっぷり使いましょう。
塩分や油分が気になるドレッシングなどは、使う分量に要注意。手作りすると、調味料を調整でき、よりヘルシーに。ノンオイルドレッシングを利用するのもよいでしょう。
体内のカルシウムの99%は骨と歯にあり、私たちの体を支え、臓器などを守っています。 食事からのカルシウム摂取量が不足すると、骨からカルシウムが溶け出し、体内のカルシウム量を調整します。カルシウム不足は動脈硬化や骨粗鬆症などの一因にもなるので、不足しないようにしましょう。1日に摂るカルシウムの目安量は次のとおりです。
男性 | 女性 | |
18〜29歳 | 778(mg) | 663(mg) |
30〜49歳 | 667 | 660 |
50〜69歳 | 712 | 666 |
70歳以上 | 722 | 622 |
カルシウムは、種類によって吸収率が異なるので、いろいろな食品と組み合わせて積極的に取り入れましょう。
カルシウムを多く含む食材
牛乳40%・小魚33%・野菜19%
摂った全てが吸収されるわけでありません。
食物繊維は、血液中のコレステロールなどを排出する水溶性のものと、便通を良くする不溶性の2種類があります。どちらも不足しないように、意識してとりましょう。
ご飯やパン、めん類など主食となる穀類は、量を多く食べるので、食物繊維を摂りやすいものです。種類や精度に気を配るとさらによいでしょう。
◆必要な栄養素をきちんととるための7つのポイント