生命を維持するために、最低限必要なエネルギー、つまり何もしない状態で消費されるエネルギーを基礎代謝といいます。エネルギーは主に筋肉で燃やされるので、筋肉量が多ければそれだけ基礎代謝は高くなります。(逆に加齢と共に基礎代謝が低下するのは、筋肉たんぱく質の合成力が低下するためです。)
また、基礎代謝が高ければ、DITや生活活動代謝も高まります。つまり、基礎代謝の高い体は、安静時にも運動時にも効率的にエネルギーを消費でき、自然と太りにくくなるというわけです。
体脂肪を燃焼させるには、ダンベル体操などの「有酸素運動」が効果的。継続的に比較的弱い力が筋肉にかかり続けると、エネルギー源として体脂肪が燃焼されます。最初は、血液中の脂肪分が使われますが、20分以上続けると、皮下脂肪や内臓脂肪が使われ出します。また、1回の運動で消費されるエネルギーは少なくても、筋肉量を増やすことによって、基礎代謝も上がるという複合的な効果もあります。
食べる時にも、エネルギーは消費されています。食後に体温が上昇するのは、エネルギーの一部が熱に転換して放散されている証拠。これを「食事誘発性熱産生/DIT」といいます。
DITを高めるには?
スープや鍋などの温かいものを食べる=温食
交感神経を刺激するものを食べる(唐辛子、ネギ、にら、にんにく、玉ねぎなど)
運動や辛い食事による刺激で分泌されるアドレナリン、ノルアドレナリンなどのホルモンが、脂肪細胞内の扉を開き、脂肪分解酵素(リパーゼ)を働かせます。
このように、3つの消費エネルギーはそれぞれ深い関わりを持っています。筋力アップと有酸素運動を組み合わせ、また、食事内容や食べ方にも気を配って、全体的な消費量を増やすことが大切です。毎日の生活の中で、効率的にエネルギーを消費して、美しく健康的な体をつくりましょう。
食事による摂取エネルギーが、体で消費されるエネルギーを上回ると、余ったエネルギーは脂肪として蓄えられてしまいます。栄養のためにも食事はきちんと摂り、過剰にならないよう消費エネルギーを増やして、体脂肪をコントロールしていくのが、健康的なダイエットといえます。