骨量が少なくなってしまった骨 | |
健康な骨 |
骨には二つの役割があります。ひとつは、人体を支える柱としての役割と、もうひとつは生命活動を維持するためのカルシウムの巨大な倉庫の役割です。カルシウムは、歯や骨を形成するだけでなく、心臓や脳などを動かすためにどうしても必要なものとして血液中に存在しています。血液中のカルシウムが少なくなると、その量を保つため、骨を破壊し、血液中のカルシウム濃度を正常に保ちます。
また、骨は、皮膚と同じように、毎日、新陳代謝を繰り返してカルシウムの入れ替えが行われています。これが骨代謝です。
健康であれば、この骨代謝のバランスはとれていますが、さまざまな原因で、バランスが崩れ、破壊が形成を上回る状態が続いてしまうと、骨の中のカルシウムがどんどん溶け出し、骨量が減少してしまいます。この状態が長い間続くと、骨がスカスカとなり、骨粗鬆症になるのです。
骨量(骨の中のカルシウム量は、成長期にどんどん増加し、成長期を過ぎて20〜30歳代になると最大量に達します。その後、加齢に伴って骨量は減っていき、特に女性は、閉経後に急激に減少します。また、妊娠、授乳期も骨量が少なくなりやすい時期です。
骨代謝のバランスが崩れる原因には、加齢によるカルシウム吸収量の低下や、更年期の女性ホルモンの低下など、やむを得ないものと、生活習慣など、予防できるものがあります。原因を把握して、コントロールできる物は、減らしていくように心がけましょう。
バランスのとれた食事をこころがけることが基本ですが、骨の材料となるカルシウムをしっかり摂ることが必要です。
日本人の
カルシウム摂取量平均は507mg。
(平成23年国民健康・栄養調査より)
年齢/性別 | 目安量 | |
男性 | 女性 | |
18歳〜29歳 | 778mg | 663mg |
30歳〜49歳 | 667mg | 660mg |
50歳〜69歳 | 712mg | 666mg |
70歳以上 | 722mg | 622mg |
厚生労働省策定 日本人の食事摂取基準(2010年版)より
骨を丈夫にするには、骨に適度な刺激を与えることも必要です。運動することによって、体内のカルシウムが有効に使われ、骨量の増加や維持につながります。
運動は繰り返し行う事が大切です。決して無理せず、自分に合った運動を継続して行うことを心がけましょう。(運動を始める時は、医師や専門家に相談しましょう。)
極端なダイエット、喫煙、過度のアルコールなどは骨粗鬆症の要因となります。思い当たる人は、改善を心がけましょう。
また、カルシウムの吸収を助けるビタミンDをつくるためには、太陽の光を浴びることも必要です。強い紫外線に注意して、適度に日光浴をしましょう。
骨粗鬆症とは、全身の骨量が少なくなって、骨折しやすくなった状態のことをいいます。骨粗鬆症になると、骨の中が、スがはいったようにスカスカになり、骨がもろくなってしまいます。
骨粗鬆症は、高齢化に伴って、増加しており、お年寄りの場合、骨折から寝たきりや痴呆につながったりすることもあるので、 健康的な老後を過ごすためには予防と対策が重要です。